青天を衝け
官尊民卑なんて、くそくらえ。百姓からの脱却を決意!
渋沢栄一は、藍染めの原料となる藍玉づくりと養蚕を営む百姓の家に生まれた。頭の回転は早いが、大人や権力にものおじしないやんちゃ坊主に育つ。商才に長けた父・市郎右衛門の背中に学び、栄一は商売の面白さに目覚めていった。
しかし17歳の頃、人生を変える最初の事件が起こる。御用金を取り立てる代官に刃向かい、理不尽に罵倒されたのだ。栄一は、官尊民卑がはびこる幕府の身分制度に怒りを覚え、決意する。
「虐げられる百姓のままでは終われない。武士になる!」。
目指せ、攘夷の志士! ところが計画中止、追われる身へ……。
栄一は、従兄(いとこ)の惇忠(じゅんちゅう)や喜作と共に、尊皇攘夷に傾倒していく。栄一らは江戸に出入りして同志を集め、ある暴挙を企てた。高崎城を乗っ取り、横浜の外国人居留地を焼き討ちするという一大攘夷計画だ。ところが、京の情勢に通じた惇忠の弟・長七郎の猛反対にあい、実行前夜にしてあえなく断念。逆に幕府に追われる立場となり、喜作と共に京へ逃げる。
そんな彼らに助け船を出したのは、一橋慶喜の側近・平岡円四郎だ。一橋家の家臣となるか、幕府に捕らわれて死ぬか、という二者択一を迫られる。この時、“慶喜こそが幕府を変える人物となる”と望みを懸け、一橋の人間となったことで再び運命が変わっていく——。
心ならずも幕臣に。パリ行きが人生を開く!
栄一は持ち前の商才で一橋家の財政改革に手腕を発揮し、慶喜の信頼を得る。ところが、慶喜が将軍を継承したことで、倒幕を目指すどころか幕臣になってしまった。
失意の栄一に、またとない転機が訪れる。パリ万国博覧会の随員に選ばれたのだ。産業発展めざましいフランスに渡った栄一は、「株式会社」と「バンク」の仕組みを知り、さらに官と民が平等である社会に大きな衝撃を受ける。「攘夷なんてとんでもない。民間が力を発揮する西洋の国づくりを日本も吸収すべきだ!」。そんな折、日本から大政奉還の知らせが届き、無念の帰国へ……。
まさかの新政府入りで、続々改革。33歳でいよいよ民間へ。
帰国後、様変わりした日本に衝撃を受ける栄一。約260年続いていた徳川の時代はすでに終わり、惇忠や喜作は「彰義隊(しょうぎたい)」を結成。戊辰戦争、そして函館戦争と新政府軍との戦闘を続けていた。
栄一は、静岡で隠棲(いんせい)する慶喜と再会し、身をやつした姿に涙する。そして、民間に身を置きながら、慶喜をそばで支えることを決意した。
しかし突然、明治新政府から大蔵省への仕官を命じられて上京。
「改正掛(かいせいがかり)」を立ち上げ、租税・鉄道・貨幣制度など次々と改革を推し進めること3年半。栄一はある決意を胸に辞表を提出した。
この時、33歳。いよいよ、栄一の目指す民間改革が始まるのだった……!
情報提供元: www.nhk.or.jp
放送局
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NHK
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放送開始
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2021-02-14
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放送日
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毎週日曜日
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放送時間
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20:00 ~ 20:45
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主題歌
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公式サイト
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NHK
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その他
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監督・スタッフ等
作/大森美香 音楽/佐藤直紀 制作統括/菓子 浩 福岡利武 演出/黒崎 博 田中健二 村橋直樹 渡辺哲也 川野秀昭 プロデューサー/板垣麻衣子
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貧乳非女 さん
40代前半 男性
渋沢栄一の知名度がこれほどまでにないというのは日本の歴史教育において痛ましい出来事であると思います。財界人については学校教育では軽い扱いになっているということに寂しさを感じられます。しかしそれがゆえに明治維新で日本が大きく変革したことを財界面からわかりやすく伝えることにみな一様の共感を得るのだと思いました。