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「津田梅子~お札になった留学生~」

 

スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生~」

テレビ朝日系 2022年3月5日(土)21:00~

今作の主人公である津田梅子は、日本における女性教育の先駆者(津田塾大学創設者)で、女性の地位向上、女性の自立を提唱し続けた人物です。2024年の紙幣改定で新5000円札の肖像にも選ばれ、今注目されている偉人の一人です。女性の社会進出や活躍と言った面からも多大なる貢献を果たしました。
(※ドラマでは、アメリカ留学を終えて帰国した 17 歳から、アメリカに再留学する 25 歳までをメインにストーリーが構成されています。)
また今作では、津田梅子役を2022年にデビュー10周年という節目を迎える広瀬すずが演じます。「もし今、津田梅子さんが生きていらしたら、女性たちにものすごく大きな影響力を持つ存在になっていただろうなと思いました。当時も衝撃的な女性だったんだろうな、カッコイイなとシンプルに感じました。6歳から11年間も留学していたなんて、とんでもない運命の選択をされた人ですよね。やっぱり梅子さんの、意志を貫く精神力や忍耐力はすごい。もはや“強い”という言葉だけでは物足りなさを感じるくらい、粘り強い女性だなと思いました。
」とコメントしています。

【津田梅子のプロフィール】

生誕:1864年12月31日(東京都新宿区)
享年:64歳
職業:教育家
座右の銘:環境より学ぶ意志があればいい。

【わずか6歳でアメリカ留学】

北海道開拓使次官は北海道の開拓モデルであるアメリカで出会った女性の教養、社会的地位の高さを目の当たりにし、衝撃を受けます
帰国後、「次の世代を有能な人材を育てるには、教養のある母親が不可欠。そのためには女子教育を日本に振興すべきである」という趣旨に基づき、アメリカへの女子留学生を募集しました。梅子の父親・津田仙(伊藤英明)は女子留学生に自分の娘・梅子(広瀬すず)を応募させ、梅子は明治4年に日本初の女子留学生として岩倉使節団に随行し、アメリカへ渡ります。随行員5人の少女のうち、最年少だったため、このような年齢で留学させる梅子の両親を「鬼だ!」と罵る人も多くいました。
尊敬する父親の仙から、「国の期待を背負っていることを忘れるな」と諭された梅子は、小さいながらに家族と離れる寂しさをこらえ、日本に女子教育を持ち帰ることを使命に渡米します。
梅子は留学生同士の共同生活のあと、日本弁務館書記で画家だったチャールズ・ランマン夫妻に預けられました。梅子は英語やピアノなどを学び、キリスト教への信仰も深めていきました。私立女学校では、ラテン語やフランス語などの語学や英文学のほか、自然科学、心理学、芸術など、最先端の教養を身に着けます。
ところが、一緒に留学していた仲間のひとりが激しいホームシックになり、さらに他の仲間は目の病気にかかり帰国してしまいます。慕っていた留学仲間との突然の別れに大きなショックを受けます。でも梅子は、父の言葉を思い出し、涙をこらえて留学を続けました。そんな梅を何かとサポートしたのは、のちに初代文部大臣となる森有礼(ディーン・フジオカ)でした。

【帰国後、日本女性の地位の低さに落胆し再渡米】

明治15年、17歳になった梅子は当初10年だった留学期間を1年延長し、11年間におよぶ留学を終えて日本に帰国します。ともに留学をやり遂げた大川捨松(池田エライザ)や瓜生繁子(佐久間由衣)と「誰もが学ぶことのできる英語学校を作ろう」と夢を語り合います。ところが、まだ当時の日本には、女子教育の必要性が重視されておらず、女性の働き口もほとんどありません。国の期待を背負っている留学生として国の役に立たなければと思い、励んできた梅子は、日本での女性の地位の低さにカルチャーショックを受けます。
理想の仕事に就くことができず苦悩する梅子を伊藤博文(田中圭)が自身の妻子の家庭教師として、雇い入れます。伊藤博文は女子教育の必要性を訴える梅子に共感し、陰ながら彼女を支える存在でした。そんな中、ともに留学をやり遂げた仲間が留学で出会った男性と結婚すると言い出しますが、日本の結婚は男女が対等ではないと考える梅子は戸惑いを覚え、複雑な気持ちになります。まだ、当時の日本ではアメリカとは異なり、親が選んだ相手とお見合いによる結婚が一般的でした。そのため、相手のことをよく知らないまま、男性側が女性を選び、女性がそれに従うといったような風習に違和感がありました。なぜこのように日本では女性が軽視されるのか。その原因は女子教育が尊重されていないからだと梅子は考えました。日本の女性の地位を高めるために、女性が教育を受けられる場所をつくること。教育の方法を学ぶこと。それらの必要性を強く感じます。伊藤博文の勧めで華族女学校の教授をするかたわら、自分自身の学校をつくる夢を持ち続け、ついに再度アメリカへ留学することを決意します。

【念願の女子英学塾設立へ】

梅子は27歳でブリンマー大学選科を修了し、日本に帰国します。生物学を専攻し、カエルの卵についての研究を収めた論文は高く評価されました。ブリンマー大学で質の高い少人数教育を受けた経験が、その後の梅子の教育に対する価値観へと通じていきます。また、在学中から、自分のあとに続く日本女性が不自由なく教育を受けられるよう奨学金制度(「日本婦人米国奨学金」委員会)を設立しました。華族女学校の教授として再び教壇に立ち、女子高等師範学校教授も兼任し、自宅で女学生を預かるなど積極的援助を行います。
その後、幼少期の留学でともにアメリカへ渡った大川捨松や瓜生繁子、二度目の留学でお世話になったモリス婦人など多くの人の支えもありながら、ついに念願の夢を叶えます。私立学校令に基づき正式に認可を受けた「女子英学塾(津田塾大学の前身)」を設立するのです。
開校式で梅子は「真の教育には、教師の熱心、学生の研究心が大切であること、学生の個性に応じた指導のためには少人数教育が望ましいこと。さらに人間として女性としてあらゆることに能力を発揮できること、つまりオールラウンド(all-round)でなければならないこと」と語りました。この言葉は女子英学塾の教育精神として、生徒たちに受け継がれていったといいます。女子英学塾は英語を学ぶ学校でしたが、英語の習得のみならず視野を広い女性であるようにとの思いが込められた言葉です。

【新たな女性像を目指して】

ここまで、「津田梅子~お札になった留学生~」のドラマの一部内容に触れながら、津田梅子の生涯についてご紹介させていただきました。女性の地位向上こそ日本の発展につながると信じて、日本の女子教育に尽力した意思の強い女性でした。「女性の幸せ=結婚」と彷彿とさせていた時代に、津田梅子はそんな時代を変えようと一歩先の未来(幸せ)を考え、新たな女性像を目指していたのです。女性教育の先駆者と称えられるにふさわしい功績をおさめた津田梅子が新しいお札の顔として選ばれたのは誰もが納得ですし、誇らしく思います。

【放送情報】

『津田梅子 ~お札になった留学生~』
主演:広瀬すず
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日)
音楽:葉加瀬太郎
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)
山形亮介(角川大映スタジオ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:角川大映スタジオ

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